TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2019がメルキュール・デザール「2019年 第5回年間企画賞第2位」に選ばれました

恩田晃ディレクション、ホセ・マセダ作曲『カセット100』『5台のピアノのための音楽/2台のピアノと4本の管楽器』が評価され、TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2019が音楽批評誌「メルキュール・デザール」の2019年第5回年間企画賞第2位に選ばれました。以下選評より引用です。

フィリピン現代作曲家ホセ・マセダ(1917-2004)にスポットライトを当てた稀有なイベントと演奏会。

『カセット100』では経験経歴年齢性別など全て不問の有志100名のパフォーマーがMP3プレーヤーとカセットデッキを持ち、マセダ作品を流しながら創作舞踏を披露。観客とパフォーマーが混じり回遊し合い、会場の全員が自由な創造体験を味わった。フィリピン民俗音楽と現代音楽・現代芸術が融合した「現代の祝祭」の実現と言えよう。なお、この公演は入場料無料にもかかわらず、フィリピンからホセ・マセダ・アーカイヴズの責任者を監修者として招聘など、その志の高さも特筆に値する。

また、特異な編成による『5台のピアノのための音楽』『2台のピアノと4本の管楽器』も5台ピアノの微妙なアンサンブルの揺れ、2台ピアノと管楽器のある種のゆるい美など、西洋の楽器を用いながらも、西洋音楽の定型的・類型的あるいは分節化された感情表現とは一線を画すマセダ独特の音楽ワールドが出現。彼のユニークな音楽を実演で体感できる貴重な機会となった。

2公演のいずれも、その企画力・実現力に高い評価が寄せられた。

★参考レビュー、ピックアップ
Pick Up (19/3/15) |ホセ・マセダ『カセット100』|齋藤俊夫
ホセ・マセダ:5台のピアノのための音楽、2台のピアノと4本の管楽器|藤原聡

José Maceda, Cassettes 100, 1971, Photo by Nathaniel Gutierrez, Courtesy of UP Center for Ethnomusicology and Ringo Bunoan