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新しい人形劇―モノ語る世界
7日[水] 16:30〜18:30 / 東京国際フォーラム ホールB7-1
ディレクター:加藤暁子[人形演劇研究家]
1960年代、人形劇の概念が大きく変化した。人形だけが演じてきた舞台が拡張され、人形遣いと人形が共演・協同することになった。劇人形の概念も変わった。ヒトガタだけでなく物品や素材、音や光が、俳優とともにドラマの担い手・演技主体になった。オブジェクト・シアターの出現である。だがこれは、近代まで万物に固有の聖霊が宿ると感じてきた日本的アニミズムと同調するものかもしれない。今回演じるだろう現代の傀儡師(くぐつし)たちは、それぞれが独自の異なる手法によって「モノ語る世界」をつくりあげている。
百鬼どんどろ 百鬼どんどろ/DONDORO Theatre
1974年東京にて創設。主宰の岡本芳一の自作による等身大人形や仮面などを使い、遣い手自身も黒衣(人形遣い)としてではなく演技者として舞台に参加する独特のスタイルで、信州伊那谷を拠点に活動。国内はもとよりヨーロッパを中心に世界各国で「日本の伝統を基盤にしたオリジナルで斬新な表現」として高い評価を受け、数多くのフェスティバルなどに招聘されている。
かわせみ座 かわせみ座/KAWASEMI-ZA
1982年、伝統的な糸操りの人形劇団「竹田人形座」で学んだ山本由也により創立。以来、山本がすべての人形のデザイン、設計、製作をオリジナルに考案し手がける。1994年、俳優の益村泉が参加。二人を中心に創るユニークな舞台は人形美術、表現力、作品の独創性、芸術性などで国内外の高い評価を得ている。2005年には高畑勲演出『まほろばのこだま』でイタリア、エジンバラ公演を行ない精力的に活動を続けている。
黒谷 都
© Tominaga Mitsuaki
黒谷 都/KUROTANI Miyako
1974年、人形遣いとして活動を開始。1977年「銀猫商會」旗揚げ(〜2002年)。チェコでの研修後、1995年よりソロ活動へ移行。「遣い」の特徴は「人形劇とは人形と人形遣いの在る表現である」事に立脚し、自身と人形(モノ)の水平な関係と、その手にするモノのモノ語りを解き放つ事にある。現在、自身の表現を「genre:Gray=利己的物体と奉仕的肉体によるグロテスク」と呼んでいる。
KATO Akiko ●Director:KATO Akiko


1955年、「人形座」(〜1963)に入団。以来、数々の人形劇団で主に美術、演出、作劇を担当。1962年にプラハ芸術アカデミー演劇学部人形劇科に留学、東欧を中心にヨーロッパの人形劇事情を学ぶ。著書に『人形の国のガリバーさん』(中央公論社)、訳書に『知的冒険としての人形劇』(新樹社)など。日本演劇教育連盟顧問、「人形劇を読み解く会」主宰。