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ゲイジュツなんておいていけ! 「踊る身体」はストリートにあり!+ 舞踏という生き方
6日[火] 16:00〜18:45 / 東京国際フォーラム ホールB7-1
ゲイジュツなんておいていけ! 「踊る身体」はストリートにあり!
ディレクター:乗越たかお[作家・舞踊評論家]
見たいのは「踊る身体」だ。しかし今それを最も感じられるのは劇場ではなくストリートかもしれない。しかも曲芸的なフィジカルさだけではなく、視覚トリックを使ったり、笑い仕立ての演出を盛り込んだり他ジャンルを取り込んだりと、日本ならではの味のあるスタイルが陸続として出てきているのだ。そしてそれは、日本のコンテンポラリー・ダンスの扉を開いた勅使川原三郎が20年前に世界中の度肝を抜いたソロダンスと通底している。新しい波の、最先端の3組をご紹介しよう。
はむつんサーブ はむつんサーブ/Hamutsun Serve
スローモーション、コマ送り、ムーンウォークや独自のムーブを主体としたアニメーションスタイルと、完全オリジナルの曲で魅せる唯一無二の“エグイ”世界観を武器に、数々のコンテストに優勝。海外での評価も高く、昨年は韓国のソウル舞台芸術見本市を皮切りに、ドイツのブレイクダンス世界大会「Battle of the Year」にゲスト出演、ブラジルの「Red Bull BC One」にも出演した。
ひとりでできるもん ひとりでできるもん/Hitoride Dekirumon
日本テレビのダンス番組「少年チャンプル」において、人気ダンサーランキング13週連続1位を獲得した“謎の覆面ダンサー”。確かな技術とコミカルなパフォーマンスで幅広いファンを魅了、2005年にはソロDVDを約1万枚売り上げた。2006年には、韓国のソウル舞台芸術見本市ショーケースにも出演。今年のコカコーラCMにも起用されている。
ISOPP & O-HASHI ISOPP & O-HASHI/イソップ・アンド・オーハシ
Perfect Combustionを率い、ブレイクダンスとヒューマンビートボックスを合体させたクリエイターISOPPと、Yokohama City Breakersのリーダーでパワームーブを得意とするO-HASHIのユニット。共にFIRE WORKS、大和のメンバーで、Battle of the Year JAPAN('03)、FREESTYLE SESSION JAPAN('04)、total session('05・フランス)、BEATRONIC JAPAN, ASIA('06)など数々の優勝歴を誇る。
NORIKOSHI Takao ●Director:NORIKOSHI Takao


主著『コンテンポラリー・ダンス徹底ガイドHYPER』(作品社)は、多くの大学等で教科書代わりに使われている。豊富な海外取材を元に日本の様々なダンスフェスのアドバイザーとしても活躍。ダンス・トリエンナーレ東京2006実行委員。2006年、NYジャパン・ソサエティのフェローシップに招聘され、ダンスの滞米研究。2007年イタリア・ジェノバ市主催の「イタリア−ジャポネ コンテンポラリーダンス・フェスティバル」の日本側ディレクターを務める。
舞踏という生き方
ディレクター:溝端俊夫[大野一雄舞踏研究所事務局長]
舞踏は1960年代に土方巽によって創出された新たな舞台芸術です。日本よりも欧米で、日本人独特の表現として高い評価をうけ、現在では欧米人自身の表現方法として多くの外国人舞踏家が活動を繰り広げています。舞踏が国境を越えて同時代の表現として認められたのは、斬新奇矯な手法の後ろにある精神的なメッセージが伝わったからではないでしょうか。今回は静かに深化を続ける日本の舞踏の根に光を当て、新旧世代の3組を紹介します。
金沢舞踏館
© Onozuka Makoto
金沢舞踏館/Kanazawa Butoh Kan
石川県金沢市を本拠地に活動。1976年山本萌が土方巽の暗黒舞踏派・白桃房より独立。後に白榊ケイが参加。1999年からオーストリアでの舞踏プロジェクトに招かれ、公演やワークショップなどを継続的に実施。2005 年にはグラーツの劇団 ASOU とカフカ・原作『変身』を発表。昨年はクロアチアにて世阿弥原作の『松風』を振り付ける。
舞踏舎天鷄 舞踏舎天鷄/Buto-sha TENKEI
1981年、大駱駝艦で活躍してきた鳥居えびす、田中陸奥子を中心に結成。二人の絶妙なコンビネーションによる天鷄の舞踏は、深い詩情と幻想性に溢れ、海外からの招聘も数多い。主な作品に『ノクターン』『女中たち』『彼方』など。特に『ノクターン』は、1996〜2000年の5年間に、ヨーロッパ、北米の計26都市でツアーが行われるなど、海外での評価も確立している。
イマージュオペラ イマージュオペラ/Imageopera
脇川海里(舞踊・振付・演出)を主宰とし、綾原江里(演出・構成・デザイン)、野沢英代(舞踊・振付)らによるパフォーマンスカンパニー。ダンスを「世界に関係する差異の運動」として捉え、独自のモチーフ選択と多様な批判的アプローチによって、新しいダンス=主体の形を目指し活動している。作品に『油田I・II』『この懐かしき蒸気』『トラクトア/トロープス』など。
MIZOHATA Toshio ●Director:MIZOHATA Toshio


1956年東京生まれ。1983年大野一雄舞踏研究所入所。大野一雄、大野慶人の国内外公演等の制作・技術監督と研究所の運営に携わる。2002年(有)かんた設立。同研究所事務局として、制作業務のほか、アーカイブ資料の保管・整理、関連書籍・DVDを出版。同年、ボローニャ大学に大野一雄アーカイブ開設。2003年横浜のBankART1929 の立ち上げに参加、現在に至る。