TPAM Direction

若手プレゼンターがアーティストと共に新しいコンセプトを創る、
プログラミングの実践/実験の場としてのショーケース。

中村茜ディレクション / 小倉由佳子ディレクション /  大平勝弘ディレクション / 野村政之ディレクション
国際舞台芸術ミーティングin横浜2012 事務局ディレクション

中村茜ディレクション

作家/生産者と観客/消費者の関係性がまさに「劇的」に変化したこの時代に、劇場が「日常的」に果たすべき役割とは? これからの劇場は、世界という「生態系・環境」から隔離・保護された養殖/温室空間のままでよいのか? 本プログラムで取り上げるハンター/採集者/育成者たちは、自らの活動を高度情報化社会の生態系の一部として想像/創造し、独自の環境をつくり、日々更新し続けている。劇場はきっと彼らのデジタルでワイルドな思考と実践から多くを学ぶことができるはずである。

2月13日(月)- 19日(日)※展示 KAAT神奈川芸術劇場<アトリウム>

西畠清順(プラントハンター/株式会社花宇)
世界を駆け回り、希少な植物を採集し、顧客に届ける。植物を介した人と人の「出会い」を演出し、園芸分野のみらずさまざまな領域で革新の種を蒔いている。「植物」と「人間」の関係を模索する「惑星的思考」の実験場「プラネッタ」も運営。

日時・会場未定 *展示、トークなど予定

坂口恭平
建築家/作家/画家/新政府大統領。建築学生時代に現代建築に根本的な疑問を抱いたことをきっかけに、都市を渉猟し、路上生活者の取材を行い、自身も多摩川沿いで路上生活を実践。2011年、東日本大震災での原発事故をきっかけに東京から熊本に移住。熊本で新たな拠点であるゼロ・センターおよび新政府を立ち上げる。

2月16日(木)16:30 KAAT神奈川芸術劇場<中スタジオ>

サンガツ ×ライゾマティクス
2011年、サンガツは様々な人々との共同作業によって「音を育てる」新プロジェクト「Catch&Throw」を始動。曲としての完成形をもたない「楽譜」を作り、それをもとに演奏した「曲」を提示している。今回は、ウェブから空間におけるインタラクティブ・デザインまで、幅広いメディアをカバーする高い技術力と表現力を併せ持ったライゾマティクスとのコラボレーションで上演。

2月18日(土)15:00 KAAT神奈川芸術劇場<アトリウム>

康本雅子
アジア、アフリカを中心に放浪しながら世界で踊り歩き、コンテンポラリー・ダンスの世界へ足を踏み入れてからもなお「野性的な感覚」を磨き続ける。コンサートやミュージック・ビデオ、映画やテレビなどへの出演・振付により、メジャー・シーンでも注目を集め、特異な存在として横断的な活動を展開。今回は、西畠清順の植物とのコラボレーション作品を製作する。

小倉由佳子ディレクション

舞台芸術の今後を見出したい。自分たちの身体と対峙しつつ、劇場外の他者の存在、世界を強く喚起させること。何万人の死や悲しみでなく、個々の想いを捉え、それらをある熱気と冷静さで描くこと。真摯に舞台に立ち続けて来たふたりのダンサーのソロ、これから粛々と舞台活動を積み重ねていくであろう新鋭演出家、この三作品をご紹介します。舞台に実際に立つ身体は少なくとも、その先にあるものは、大きな広がりを感じさせます。

2月16日(木)18:30 KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>

山田うん『DICTEE』(ディクテ)
「肉体よりも裸で、骨よりも強く、腱よりもしなやかで、神経より鋭い言葉を書くことができますように」。韓国系アメリカ人女性アーティスト、テレサ・ハッキョン・チャによる自伝的テキストから着想したソロダンス。多文化主義、複数の言語、女性、世界の歴史…多くの視点が織り込まれた舞台。

2月17日(金)19:30 KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>

相模友士郎
映画と舞台のフィールドを横断的に活動し、双方向的視点から身体や劇を構築する演出家・相模友士郎。アイホールとフェスティバル/トーキョー10で上演した『DRAMATHOLOGY/ドラマソロジー』は、70歳以上の高齢者たちとの共同作業から生まれ、好評を得た。今回は、次なるステージに向かう新たな試み。

2月17日(金)20:15 KAAT神奈川芸術劇場<中スタジオ>

上村なおか
上村は、多彩なジャンルのアーティストとのコラボレーションやセッション、様々な人たちとのワークショップ活動も積極的に行っている。そのような「身体の発見と冒険」を試行する活動が、自身のソロダンスでは凝縮されて描き出される。即興をベースに、丁寧に綿密に時空間を紡いでいく。

大平勝弘ディレクション

STスポットでは、舞台における身体表現の可能性を常に模索し、それを具現化しようと試みています。舞台上で行われる出来事で彼らは何と何を接続しようとしているのか、全ては律動の上に構築されていきます。また、社会との距離の取り方がまるで違う三組は「演劇」「ダンス」「音楽」というカテゴライズが意味をなさない活動を行い、常に観客を挑発します。

2月17日(金)16:30、18日(土)16:30 横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール

マームとジプシー『塩ふる世界。』
果たしてそれが本当に「日常」なのか。あるいは誰もが持っている「記憶」の一部なのか。彼らが組立てていく物語のパーツは常に断片で、連続した「日常」とは接点を持たないもののはずですが、映画や音楽的構造を使い、観客の中にイメージの往還による新たな空間を生み出し続けています。

山下残『横浜滞在』
果たしてそれが本当に「日常」なのか。あるいは誰もが持っている「記憶」の一部なのか。彼らが組立てていく物語のパーツは常に断片で、連続した「日常」とは接点を持たないもののはずですが、映画や音楽的構造を使い、観客の中にイメージの往還による新たな空間を生み出し続けています。

2月19日(日)14:00 第一部 / 19:30 第二部 横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
※1回目と2回目の公演内容は異なります。

鈴木優人×神村恵『バッハの平均律』
バロックから現代音楽まで卓越した演奏技術を持ち、新たな音楽の「見せ方」を提案している鍵盤奏者の鈴木優人と、ダンスの境界線を常に探り続けている神村恵により、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』をチェンバロの響きとコンテンポラリーダンスで魅せるあらたな体感型音楽のありかたを探ります。

野村政之ディレクション

言葉の力、とは。音楽の力、とは。同じ時間・空間を共にすることの意味、とは。なにがなければ舞台芸術は成り立たないのか…? 詩と音楽、そして演劇が共有するものを探りながら、舞台芸術に関わるシンプルな問いをいま一度確かめてみたいと思います。「アーティスト名」、「作品名」の単位で語られる舞台芸術のあり方に対して、“「上演」とは何か”という視点から生まれる「時間」ないしは「集会」のような出来事になればと思います。

2月19日(日)16:00/18:00 KAAT神奈川芸術劇場<中スタジオ>

蓮沼執太×山田亮太(TOLTA)『タイム』
音楽ライブの中で、演奏空間や演奏者の身振りと視聴体験の新たな関係を探求している蓮沼執太。活字や朗読だけでなく、様々な形態で詩の言葉のありようを探求している山田亮太。複製メディアでの発表と、ライブ空間での上演が共に行われる「音楽」と「詩」、それぞれの領域で、既成概念にとらわれない活動を行う二人の視点から、舞台芸術を捉え直します。

国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2012 事務局ディレクション

2011年夏に「3/11以降」をテーマに掲げ実施したTPAMiYサマーセッション。そのオープニングセッションは「俺は演劇だと思ってやっている」と題し、坂口恭平氏とチン↑ポムの卯城竜太氏をお招きしました。今回、福島第一原発事故と東日本大震災をテーマにしたチン↑ポムの「REAL TIMES」展(2011年5月)からの映像作品を中心に展示、また中村茜氏と共同ディレクションにて坂口恭平氏の作品を紹介します。

2月16日(水)- 19日(日)※展示 BankART Mini

Chim↑Pom(チン↑ポム)
2005年、エリイ、卯城竜太、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求で結成した日本のアート集団。「生と死」をテーマにした作品や、現代社会に全力で介入した社会的メッセージの強い作品で評価を得、サンパウロ・ビエンナーレなどの国際展への参加や、2010年に開催された「アジア・アート・アワード」で日本代表に選ばれるなど、海外からの注目も高い。2010年3月には初の作品集『Chim↑Pom』(河出書房新社)が刊行された。